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神戸市でキッチンカーを営業したい人必見!|営業許可要件

行政書士長尾真由子事務所 キッチンカー 営業許可 神戸市

前回の記事では、神戸市でキッチンカーを営業するには、どこで申請すればよいのか、どういう手順を踏めば良いのかを解説しました。

今回の記事では肝心の許可要件についてお話します。

|神戸市でキッチンカーを営業したい時

許可要件

神戸市では、神戸市のホームページ上で、東部衛生監視事務所が作成した「キッチンカー等、自動車の飲食店営業許可申請の手引き」と題したPDFを公開しています。

 

とても見やすいPDFですので、ここにリンクを貼っておきます。

 

foodtrack.pdf (kobe.lg.jp)

出典:「キッチンカー等、自動車の飲食店営業許可申請の手引き」(神戸市ホームページ) 2023年12月13日利用

 

今回の記事では、この手引きをもとに神戸市の東部衛生監視事務所に問い合わせて得た情報を加えて、神戸市の営業許可要件を解説していきます。

|必須の設備

  1. 器具等洗浄設備・手洗い設備
  2. 給水設備・排水設備
  3. 冷蔵・冷凍設備
  4. 手指殺菌消毒設備
  5. 保管設備
  6. 廃棄物設備

 

一つずつ解説していきます。

 

1.器具等洗浄設備・手洗い設備

 

蛇口付きのシンクのことです。器具や食材を洗うためのシンクと手洗いのシンクに分けなければいけない場合は、それぞれのシンクに蛇口が必要になります。

今のところ、準固定施設(後で解説します)で申請をするキッチンカー以外は、手指の再汚染防止構造の水栓にする必要はありません。

手指の再汚染防止構造の水栓とは

 

手洗い後、水を止める際に、手指が水栓に触れないような構造になっている蛇口のこと。

 

  • センサー式のもの
  • 一定時間経過後に自動的に止まるもの
  • ハンドルレバーの場合は、肘で止水できるもの(ハンドルレバーが短いものは不備扱いになることもあります)

 

2.給水設備・排水設備

 

要は、給水タンクと排水タンクのことです。また、それらをシンクとつなぐ管やポンプも当然のことながら必要になってきます。

 

これらのタンクの容量は、提供品目によって、40L、80L、200L以上に分けられています。

  • 簡易な加熱調理品 → 半製品を上げる程度の食品(唐揚げ、フライドポテトなど)。
  • 2工程程度の加熱調理品 → 仕込みをし調理するような食品(粉をといて揚げる唐揚げ等)。
  • 200Lの給水タンクを備えた準固定施設となる設備を搭載しているキッチンカーは、一般の飲食店と同様の食品提供が認められます。

準固定施設とは、以下の5つの条件をすべて満たしたキッチンカーのことです。申請時に準固定施設として申請し、認められる必要があります。

  1. キッチン内は食品を取り扱う量に応じた十分な広さがあり、立ち作業ができること。
  2. 床面、内壁、天井は必要であれば不浸透性(液体が浸透しない性質)材料を使用し、清掃しやすい構造になっていること。
  3. 容量200リットル以上の給水・排水タンクを有すること。給水タンクは2個以内(200リットル1個や100リットル2個など)に収める事。
  4. 流水式手洗い設備の水栓は、洗浄後の手指の再汚染が防止できるもの(センサー式、自動止水式、ハンドルレバーなど)であること。
  5. 食品を10℃以下で保存するために電気冷蔵庫などを設置し、温度が簡単に確認できるように温度計を備えること。(バッテリーによる給電などで、移動中も庫内温度を10℃以下に保つこと)

3.冷蔵・冷凍設備

 

冷蔵庫や冷凍庫、クーラーボックスのことです。

庫内の温度が分かるように、温度計を備えておく必要があります。

 

また、神戸市の手引きでは、保存基準が設定されている以下のような食品は、運搬中も含めて常時、10℃以下、-15℃以下(4℃以下)にしておかないといけないそうです。

  • 食肉・食肉製品
  • ゆでだこ
  • ゆでがに
  • 生かき
  • 牛乳・乳飲料 

4.手指殺菌消毒設備

 

うーん、これはコロナ禍にできたルールでしょうか?聞くのを忘れてしまいました。

今も必要なのでしょうか(-_-)

 

神戸市の「キッチンカー等、自動車の飲食店営業許可申請の手引き」によると、「第3類医薬品か指定医薬部外品の表示がある消毒用アルコール+石鹸」または、「指定医薬部外品か医薬部外品の表示のある手指洗浄剤」を設けて下さい、とのことでした。

5.保管設備

 

常温保存の食材や、食器、調理器具などを保管する設備のことです。ふた付容器でもかまいません。ただし、戸棚にせよ容器にせよ、ほこりや虫が入らないものでなくていはいけません。

6.廃棄物設備

 

ふた付ゴミ箱などです。

不浸透性(水分が外から中に染み出さない構造のこと)で、汚液、汚臭が漏れないものが必要です。

|その他

 

  • 加熱殺菌設備 ー 焼き台やフライヤーのことです。
  • 照明 ー 夜間の営業を予定している場合は必須です。
  • 換気設備 ー 窓でもかまいませんが、網戸が必要です。
  • 清掃用具
  • 清掃方法掲示場所

|準固定施設でないキッチンカーの注意点

 

一般飲食店と同様の食品提供ができる、準固定施設については上で説明しました。

では、一般飲食店と同様でない食品提供ってどういうことなのでしょうか?

 

それはつまり、「準固定施設に比べると、色々な制限がありますよ」ということなのです。それではその色々な制限を少し見ていきましょう。

 

1.全品目の注意点

 

原則、提供品目は、提供直前に加熱調理される食品に限る。つまりあつあつで提供すること。

 

2.加熱されていなくても提供できるもの(条件あり)

 

市販品を使ったメニュー

  • 缶詰や容器包装に入った漬物・カット野菜・クリーム類等で、広域に修通している市販品を使用した品目(サラダ・トッピングなど)
  • 開封せずに搬送し、形態を変えずに使用し、短時間(概ね1日以内)で使い切る場合に限る。

 

飲料

  • 清涼飲料水・アルコール類の小分け・混合は、注文を受けた都度カップに移すか、ミネラルウォーターを使用して溶液を薄めて提供する場合に限る。
  • 果物から果汁を絞ってジュースをせいぞうすることはできない。

かき氷

アイスクリーム

  • かき氷は、許可施設で製造した氷と市販シロップ等を使用し調製したものに限る。
  • アイスクリーム類については、許可施設で製造されたものをディッシャー等で小分けする場合に限る。ソフトクリームフリーザー等での製造は出来ないので注意。

3.おかず類、米飯、カレー及び丼物、みそ汁やスープを提供したいときの注意点 

  • 提供直前に加熱調理するか、調理後65℃以上で保温して提供すること。
  • 事前に下処理を行う場合は、下処理後10℃以下で冷蔵保存するか、65℃以上で保温して調理・提供すること。
  • 弁当製造(おかず盛り付け済みの容器への、米飯の盛り付けも含む)はできない。
  • 生野菜・果物類のトッピングしたり、サラダとして提供することはできない。

 

|まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

神戸市でキッチンカーの営業許可を取得したいときの要件を、ご自分の車に当てはめて考えてみてください。

 

この記事のまとめです。

 

|必須の設備

  1. 器具等洗浄設備・手洗い設備
  2. 給水設備・排水設備
  3. 冷蔵・冷凍設備
  4. 手指殺菌消毒設備
  5. 保管設備
  6. 廃棄物設備

 

|準固定施設でないキッチンカーの注意点

 

1.全品目の注意点

 

原則、提供品目は、提供直前に加熱調理される食品に限る。

 

2.加熱されていなくても提供できるもの(条件あり)

  • 市販品を使ったメニュー
  • 飲料
  • かき氷・アイスクリーム

3.おかず類、米飯、カレー及び丼物、みそ汁やスープを提供したいときの注意点

  • 提供直前に加熱
  • 下処理の注意点
  • 弁当製造はできない
  • 生野菜・果物類は使えない