前回の記事では、構造変更検査に必要な書類を簡単に箇条書きにしました。
今回は、それぞれがどのような書類なのかを詳しく紹介していきたいと思います。
|構造変更検査に必要な書類
- 申請書
- 自動車検査証
- 自動車検査票
- 点検整備記録簿
- 自動車損害賠償責任保険(共済)証明書
- 使用者の委任状
- 所有者の委任状
- 手数料納付書
- 自動車重量税納付書
- 納税証明書
1.申請書
上記の国土交通省のポータルサイトではOCR申請書第2号様式を使用するように書かれていますが、大阪陸運局登録部門の方のお話では1号様式で良いとのことでした。検査後の登録時に提出します。
以下がダウンロードした申請書です。
1号様式を表示しておきます。
OCR申請書は電子機器で読み取るために作られた申請書です。
そのため、用紙・印刷・記入についてはいくつかの注意点があります。
|用紙についての注意点
基準マークの位置は下記を参照してください。
|印刷についての注意点
印刷後は文字や枠線にカスレがないこと、傾きがないこと、2重に印刷されていないこと、また正しく印刷されていることを確認しておきましょう。
|記載方法についての注意点
以上は国交省のウェブサイトより参照しました。
https://www.mlit.go.jp/
印刷した申請書に手書きで記入してもかまいません。
また、当日窓口で発行もできますので、そちらに手書き記入でかまいません。
web上で各項目を埋めていけば、申請書を作成することもできます。
ただし、検査当日の提出は必須ですので、プリントアウトして持って行って下さい。
事業者向け手続き|自動車検査登録総合ポータルサイト|国土交通省 (mlit.go.jp)
パソコンでPDFに直接書き込みをしたい場合は、PDFの編集ソフトを使用する必要があります。
Adobe Acrobat 無料版でも編集可能でした。
編集方法は、パソコン博士TAIKIさんのYouTube動画が分かりやすかったので、
リンクを貼っておきます。
【裏技】無料でPDF編集しちゃう方法!『文字入力』『上書き修正』『電子印鑑』『図形入力』【誰でも簡単】 - YouTube
2.自動車検査証
いわゆる車検証のことですね。車検を受けた時に発行してもらえる証明書です。
走行時には車検証は車内に保管しておかなければなりません。違反をすると50万円以下の罰金を課せられるおそれがあります。
道路運送車両法66条1項には次のように書かれています。
ただし、車検証不携帯でも運転免許の違反点数の加算はありません。
ですので、たいていの方は車検証は車内のグローブボックスに保管をされているかと思います。
検査の前にはあるか確認して、他の書類と一緒にしておくと良いでしょう。
3.自動車検査票
自動車検査票とは検査項目ごとの合否を記録するための用紙です。道路運送車両法の保安基準を満たしていれば合格の文字が印字されます。保安基準を満たしていない場合や、書類に不備があった場合はその内容が記載されます。すべての項目に合格印が印字されると車検証の交付が窓口で受けられる仕組みになっています。
検査手数料分の印紙、証紙を貼って提出します。
ご自分で検査を受けられる場合は、当日窓口で貰ってください。
4.点検整備記録簿
点検整備記録簿とは、点検の結果と整備の概要を記録しておく用紙です。道路運送車両法では車内に常備しておくよう定められています。また、一定期間保存することが求められています。
3か月、6か月点検対象車は1年保存
1年点検対象車は2年保存
ただ、自動車の維持管理を適切なものにするためには、可能な限り長期間保存し、「生涯記録簿」とすることが望ましいです。
点検整備記録簿により、過去の点検整備の記録を確認でき、消耗部品の交換時期を判断することもできます。
(点検整備記録簿)
様式に決まりはありませんが、規定の様式の方が望ましいとのことでした。
また、1ナンバー、4ナンバーを8ナンバーにする場合には、6か月点検、19項目の点検をチェックした書類が必要になります。
ただし、様式うんぬんよりも、点検をやっているかどうかということが重要になってきます。もし点検書類がないようでしたら、検査をしてくれるディーラーさんや車屋さんにお願いしてやってもらいましょう。書類が無くても構造変更検査を受けることはできますが、検査官に良い印象を持ってもらうためにも用意しておいた方がよいでしょう。
5.自動車損害賠償責任保険(共済)証明書
自賠責保険は新しい保険証と古い保険証の両方が必要です。
6.使用者の委任状(必須)
委任事項(自動車検査証記入・構造変更検査)
7.所有者の委任状
構造変更検査に伴い、型式、車体番号または原動機の型式を変更する場合
委任事項(変更登録)
自動車の使用者と所有者の違いはなんとなく分かるかとは思いますが改めて解説します。
使用者と所有者が別というのはよくあることです。例えばオートローンを組む場合です。
所有者とはその車の所有権を持つ人や会社のことです。ですので、ローンを組む場合はローン会社やクレジット会社が所有者となります。
対して、使用者とはその車の使用権を持つ人のことです。上の例でいうとローンを組んで車を購入し、実際に維持管理している人のことです。
ローン完済後は名義変更をすることで所有権を得ることができます。
構造変更検査の場合、使用者の委任状は必須です。
所有者の委任状は、ナンバーや型式が変更になるときには必要となります。
ここでは、8ナンバー変更の事について書いていますので、両方用意しておくと良いでしょう。
委任状は近畿運輸局のホームページに書式例と記入例が載っていますが、書式に定めはないとのことでした。また、こちらは近畿運輸局の記載例になりますので、他の管轄のナンバーをお持ちの場合は、印鑑の必要性などが異なる場合がありますので確認しましょう。
8.手数料納付書
手数料納付書の金額は、車種などによって変わります。
当日窓口でもらって、印紙を貼って納付します。
9.自動車重量税納付書
自動車重量税は、検査後に決まります。
キャッシュレス決済が2023年1月より開始されましたが、この記事を書いている2023年9月時点で、キャッシュレス決済を使われる方はほとんどおられないとのことでした。
キャッシュレス決済を利用したい場合は、あらかじめ登録が必要です。
10.納税証明書
納税証明書はオンラインで管理されています(登録自動車の場合)ので、検査場でも確認できるそうです。国土交通省のポータルサイトでも登録自動車は原則不要と書かれていました。
ですが、オンラインで確認できない場合もあり、確認できない場合は、再度車持ち込みで書類を提出しないといけませんので、ご自分でも持参した方が良いでしょう。
ただし、新車の場合は納税していませんので、必要ありません。
|まとめ
書類には事前に用意しておくべきものと、当日用意すればよいものとがあります。
|事前に用意しなければならない書類
2.自動車検査証
4.点検整備記録簿
5.自動車損害賠償責任保険(共済)証明書
|当日入手可能、または当日のみ入手可能な書類
1.申請書
3.自動車検査票
8.手数料納付書
9.自動車重量税納付書
以上の情報の多くは、国土交通省のポータルサイトをベースに、近畿運輸局大阪運輸支局に問い合わせて得たものです。
他府県の場合や、もしくは検査官により情報が違う場合もあるかもしれません。
悪しからずご了承下さい。
書類の書き方などは検査場でも教えてもらえます。
また、8ナンバーを登録するにあたっては、事前相談をして下さい。
詳しくはこちらの記事をご覧下さい。