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どうする?兵庫県でキッチンカーの営業許可申請

行政書士長尾真由子事務所 キッチンカー営業許可 兵庫県

大阪府では、令和4年1月1日より、いづれかの自治体で営業許可を取得すると、大阪府全域でキッチンカーを営業することができるようになりました。では、お隣の兵庫県はどうでしょうか?

 

残念ながら、ブログを作成している2023年11月現在では、兵庫県全域でキッチンカーを営業しようとすると、6か所の保健所に申請をする必要があります。

 

ですが、営業をしようとしている地域を限定することもできますので、ご自分が営業したい地域を管轄する保健所にのみ営業許可申請をすることが可能です。

|兵庫県の保健所は17か所

兵庫県では、政令指定都市である神戸市、中核市の姫路市、尼崎市、明石市、西宮市が

保健所を設置しています。また、それ以外の市区町村は兵庫県が包括的に管轄しています。兵庫県が管轄する保健所は芦屋保健所、伊丹保健所、宝塚保健所等、12か所あります。

 

詳しくは、以下の厚生労働省のホームページをご覧ください。

 

保健所管轄区域案内 兵庫県|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

引用:厚生労働省(保健所管轄区域案内) 2023年11月17日

|どこで営業許可を申請すれば良いの?

では、17か所ある保健所のどこで、キッチンカーの営業許可を取得すればよいのでしょうか?

 

基本的には、キッチンカーを出店しようとしている場所を管轄している保健所になります。

 

例えば、神戸市でキッチンカーを営業したいのであれば神戸市に、姫路市で営業したいのであれば姫路市に許可を申請します。神戸市でも姫路市でも営業をしたのであれば、神戸市と姫路市の2か所の保健所で許可を申請します。

 

ただし、兵庫県が包括的に管轄する地域(神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市以外の兵庫県内の市区町村)で営業をしたい場合は、営業地を管轄する保健所に申請するとは限らず、キッチンカーの保管場所を管轄する保健所で申請をすることになる場合もあります。どちらで申請するかはケースバイケースとなるため、まずはキッチンカーの保管場所を管轄する保健所に問い合わせてみてください。

 

また、兵庫県が管轄している12か所の保健所のうちの1か所で営業許可を取得すれば、同じように神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市以外の兵庫県内の市区町村で出店することができます。

 

ですので、兵庫県全域でキッチンカーを出店したいという方は、神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市、それと兵庫県が管轄する12の保健所のうちの1か所、の計6か所の保健所で営業許可を取得しなければなりません。

 

もちろん、出店しようとしていない場所の営業許可を取得する必要はありませんし、最初は神戸市だけに出店して、後々、他の市区町村に出店を考えた時に、その市区町村を管轄する保健所に許可申請を行うということもできます。

 

キッチンカーの許可申請の費用は、兵庫県では通常一件当たり16000円(2023年11月現在)かかりますので、6件となると約10万円必要になってきます。また、それぞれの保健所との協議や検査も必要ですので、時間や手間を考えても、出店しそうな場所に一度に営業許可を取得してしまうのはお勧めしません。

|兵庫県で営業許可を申請するには

兵庫県で、キッチンカーの営業許可を取得するには、何から始めればよいのでしょうか。ここでは、神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市以外の兵庫県内の市区町村でキッチンカーの営業許可を取得する場合の手順を説明していきます。

 

 

|保健所に問い合わせる

 

まずは、営業場所の所在地を管轄する保健所に問い合わせをします。

 

問い合わせ先は、上記の保健所管轄区域案内に電話番号が載っています。

 

問い合わせる内容は、主に次の3点です。

  1. 問い合わせ先が合っているか
  2. 事前相談の日時
  3. 事前相談に必要な情報や書類

以下に詳しく解説していきます。

 

 

1.問い合わせ先があっているか

 

ここで良いだろうと思って問い合わせても、間違った保健所に電話をしている可能性もあります。必ず、出店場所やキッチンカーの保管場所の所在地を伝え、管轄であることを確認しましょう。また、間違っていた場合は、正しい管轄の保健所を聞いておきましょう。おそらく、ご自分から聞かなくても教えて貰えると思います。

 

 

2.事前相談の日時

 

何のために電話をしているかというと、事前相談の日時を予約するためです。突然相談に行っても、担当の方が不在であったり、お時間が取れなかったりする場合があります。二度手間にならないためにも、まずは管轄の保健所と事前相談の日時を約束しておきましょう。

 

 

3.事前相談に必要な情報や書類

 

事前相談に行く際には、漠然と相談をするのではなく、前もって考えておいた方が良いことがあります。それは、メニューと調理工程(レシピ)と、キッチンカー内の配置です。メニューと調理工程はできれば紙に書いて持って行きましょう。キッチンカー内の図面も、手書きで良ので用意しておきましょう。書類や図面は必須ではありませんが、用意していった方がスムーズに話が進みます。その他にも用意しておいた方が良いもの(すでにキッチンカーをお持ちの方の場合の車検証など)があれば聞いておきましょう。

|事前相談

 

予約した日時に、管轄の保健所に出向いて事前相談をします。

 

いきなりキッチンカーを乗り付けて、申請書を提出しても営業許可が下りない可能性があります。もうすでに他の兵庫県内の地域や他の都道府県で営業許可を取っているキッチンカーの場合、事前相談なしで一発合格することもありますが、合格しない可能性もありますので、基本的にはこの事前相談に行ったほうが良いかと思います。

 

また、いわずもがなですが、キッチンカー初心者の方は、必ずこの事前相談に行って下さい。

 

事前相談は申請前に行うのはもちろんですが、キッチンカーとなる車両を購入する前に行って下さい。どうしても欲しい車があるという場合は、仮予約しておき、本契約は事前相談が終わってからにしましょう。

 

車両を購入してから事前相談に行くと、ご自分が提供したいメニューの営業許可が取れなかったり、メニューに制限がかかってしまうこともあり得ます。キッチンカーで一番費用がかさむのが、車両の購入と改造費用です。ここで失敗してしまうと、最悪の場合、開業をできずに費用だけが発生してしまうということになりかねません。

 

ご自分があたためてきた、夢のキッチンカーの形があるかもしれませんが、それがそのまま営業許可の取れるキッチンカーになるとは限りません。営業許可が下りなければ、そもそもキッチンカーを開業することすらできないのです。

 

そうならないためにも、保健所の職員の方と事前に相談し、どうすればご自分の理想に近い営業許可の取れるキッチンカーになるのか、アドバイスを受け、それに従って車両を購入し改造していきましょう。

 

問い合わせのところでも書きましたが、この時に、前もって考えておいたメニューや調理工程を伝える必要があります。何品提供する予定なのかによっても、キッチンカー内の設備が変わってきます。

 

それと、キッチンカー内の図面も持参しましょう。図面があると職員の方との話も進めやすくなりますし、アドバイスも図面を見ながらの方が分かりやすいでしょう。図面は手描きでかまいません。

|申請

 

申請は営業開始を考えている日よりも2週間前には行いましょう。

 

というのも、申請をした日に許可証は発行されないからです。通常は申請日に施設調査も行いますが、施設基準に合致していると認められても、許可証が発行されるのは1週間後ぐらいになります。

 

また、施設調査で不備が見つかった場合、再調査となりますので、その分、許可証の発行が遅れてしまうことも頭にいれておきましょう。

 

許可証を郵送で受け取る場合は、申請時にその旨を伝え、郵便費用を支払うか、レターパックなどを持参する必要があります。どういうサービスを使うかは管轄の保健所により違いますので、郵便で許可証を受け取りたい方は、事前相談の時に確認しておきましょう。また、郵便での受け取りには、2~4日かかることも見込んでおいてください。

 

 

申請に必要な書類等は以下となります。

  1. 営業許可申請書
  2. 営業施設の平面図
  3. 車検証
  4. 食品衛生責任者資格証(コピー可)
  5. 法人申請の場合は、履歴書事項全部証明書(コピー可)
  6. 手数料 16000円

オンライン申請も可能ですが、通常は、同日に施設調査も合わせて行いますので、利用する方は少ないということでした。

 

兵庫県/食品営業許可申請・営業届出等のオンライン手続について (hyogo.lg.jp)

引用:兵庫県ホームページ 2023年11月20日

 

上記以外にも、一次加工施設が必要な場合は、一次加工施設の営業許可証や、水道水以外を使用する場合は、水質検査成績表などが必要となる場合があります。

 

また、上記の手数料は通常のキッチンカーの場合の手数料となります。レアケースではありますが、魚介類販売のみの場合は、手数料は9600円です。

|施設調査

 

施設調査は、キッチンカーを管轄の保健所に持ち込んで行います。つまり、施設とはキッチンカーのキッチン部分の設備のことです。

 

施設調査では、キッチンカーの設備が基準通りきちんと揃っているか、機械類はきちんと動くのか、などの確認を行います。

 

 その際には、食材以外の設備は全て揃えて、営業をする時と同じ状態で調査を受けましょう。給水タンクには水を入れ、水道や冷蔵庫、焼き台などもきちんと動くようにしておきます。(口頭のみの確認で済む場合もあるようですが、施設調査前に機械類の動作は確認しておいてください。)

 

 不備があった場合には、その日に指摘してもらえますが、後日再調査となります。不備があった部分を修正して、再度、管轄の保健所で調査を受けます。そこで、基準に合致していると認められれば、数日後、許可証が発行され、その保健所の管轄内の地域で、晴れて営業を開始することができます。

|許可

 

申請、施設調査をへて、不備がなければ許可が下り、許可証が発行されます。

 

ただし、先にも書いたように、1回で不備が認められなかった場合でも、許可証の発行は申請日から約1週間ほどかかります。

 

許可証の受け取りは、窓口に出向くか、それが困難な場合は、申請時に郵送をお願いすることもできます。

 

郵送の場合は、窓口での受け取りよりも日数がかかりますので、日にちに余裕のない方は注意してください。

 

許可証を受け取ったら、キッチンカー内の見やすい場所に掲示して下さい。

 

さあ、これであなたも、その地域でキッチンカーを営業することができます!

 

おいしい料理でたくさんの人を笑顔にして下さいね。

|まとめ

今回の記事では、兵庫県の保健所の事情と、神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市以外の兵庫県内の市区町村の保健所でのキッチンカーの営業許可申請の手順をお伝えしてきました。

 

 

兵庫県の保健所の事情

  • 兵庫県の保健所は17か所。
  • 神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市はそれぞれ独自に保健所を設置。
  • それ以外の12保健所は、兵庫県が包括的に管轄する保健所(神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市以外)で、このうちの1か所で営業許可を取得すれば、その他の11か所の保健所が管轄する地域でキッチンカーを営業することができる。

 

兵庫県が包括的に管轄する保健所での営業許可申請の手順

 

  1. 管轄の保健所への問い合わせ
  2. 事前相談
  3. 申請
  4. 施設調査
  5. 許可

いかがでしたか?

意外と簡単だなと思われたでしょうか?

それとも大変そうだなと感じられたでしょうか?

 

確かに、営業許可を取得することのみに力を注げるのであれば、それほど大変なことでは無いかもしれません。けれど、キッチンカーを開業するためには、メニューのこと、食材の調達先のこと、宣伝広告のこと、出店場所のこと、経理や税金のことなど、他にも様々な問題に取り組む必要があります。

 

また、保健所によって施設基準が違う場合もあります。申請書を提出すれば良いというものではなく、協議も合わせて行わなければならないので、複数の保健所、遠方の保健所に営業許可申請をするのは、骨のおれる作業となります。

 

営業許可取得は、いわばキッチンカーのオーナー様の本業ではありません。その為の時間を本業に注力するためにも、営業許可の取得は、専門の行政書士に任せてみてはいかがでしょうか?

 

行政書士長尾真由子事務所では、初回30分の相談は無料です。

無理な営業や勧誘などは行っておりませんので、お気軽にお問合せいただければと思います。